仮想世界SL内株式

 


オンライン3D仮想世界ゲーム「Second Life – セカンドライフ」内

株式シミュレーションゲーム

ゲーム内で使用されている通貨「リンデンドル L$」が、現実の通貨にも換金可能なオンライン3D仮想世界ゲーム「Second Life – セカンドライフ」。
その仮想世界内では、以前より株式シュミレーションゲームが行われています。

2011年早々、そのセカンドライフ内株式シーンに再編の新風が吹き込みました。
それまでのセカンドライフ内証券取引所トップ2のISE(International Stock Exchage)とSLCapEx(SL Capital Exchage)が合併を発表し、両社はSLCapEx(SL Capital Exchage)に統合されることになりました。
2011年2月には、続々と元ISE(International Stock Exchage)上場企業がSLCapExで再上場。
この流れを受けてか、業界3位のVstex(Virtual Stock Exchange)が突如閉鎖を発表し、元Vstex上場企業数社もまたSLCapExでの再上場を決定。
それまで10社だったSLCapEx上場企業は、2月14日現在で22社6月現在で32社になっています。

昨年末SLCapEx社CEOに就任したSkip Oceanlaneは、今年に入ってから合併、企業誘致をはじめ、取引システムの改善など次々と改革を実行中です。
これまでの数年間、セカンドライフ内株式シュミレーションはかなり低迷していましたから、今後のSLCapExの活動に期待大です。

 

日本のセカンドライフ内証券取引所

上記三つの証券取引所は、いずれも英語圏中心の海外証券取引所ですが、2007年には日本初のセカンドライフ内証券取引所「SLSE JAPAN」がスタートしています。
開設当初一時は盛り上がったものの徐々に低迷、現在は利用可能なまま残存しているものの、ほぼ休止状態で放置されています。

Web上の取引システムなどは海外証券取引所より優れている点も多いのですが、海外証券取引所では当たり前というか必須になっている企業とユーザー(投資者)間コミュニケーションの場、フォーラム機能が開設当時から実装されていなかったのが致命的だったと思います。

海外証券取引所では、ある一定数の株を保有しているユーザーは動議を提案することができ、各企業CEOはそれを株主投票により採決しなくてはいけないというルールを採用、ひとつの株式シュミレーションとして成立させています。
ですが、日本のSLSEは敢えてそういった場を排除し、株式シュミレーションとしてではなく、株売買に特化したゲームを目指していたのでしょうか。
Web上のシステムが使いやすくて優れている分、非常に残念・・・。

 

セカンドライフ内での銀行禁止と株式市場

ちなみに、セカンドライフを運営するリンデン・ラボ社は2008年1月にセカンドライフ内での銀行業務を禁止する旨発表しました。
それに際し、証券取引所も銀行業とともに禁止されるのではないかという声もありましたが、幸い現在に至るまで証券取引所に対するリンデン・ラボ社からの取り締まりは行われていません。
どうやらリンデン・ラボ社としては、証券取引所業務に対する姿勢は”保留”のようです。

詳しくは、下記「Second Life Wiki」にある「 銀行業務に関する判断・事例 」が参考になると思います。
中に株式に関する記述もあります。
・ 銀行業務に関する判断・事例
http://ja.secondlife.wikia.com/wiki/銀行業務に関する判断・事例

現在セカンドライフ内では証券取引所業務は許容、または保留されていますが、リンデン・ラボ社が正式に許可しているものではありません。
リンデン・ラボ社は過去突然ギャンブル禁止の方針を発表したり、先の銀行禁止も唐突な発表でした。
証券取引所が突然運営禁止になるという可能性はゼロではありません。

 

セカンドライフ内株取引のリスク

上記のように、セカンドライフ内株取引は仮想世界ゲーム提供会社リンデン・ラボ社の方針次第では危うい存在です。
それに加え、仮想世界内での証券取引自体に適用される現実の法律はありません。
また、企業を運営するユーザーを含めてすべてのユーザーがかなりの程度匿名性が保たれていたりします。
ですから、企業CEOが突然失踪などということも充分あり得ますし、実際何件かありました。(^^;

2008年には、AnCapEXという新進で活気ある証券取引所オーナーが破産、失踪。
取引所が突然閉鎖し、上場企業のうち数社は他証券取引所で再上場を果たしましたが、おそらく半数以上の企業がそのまま消失ということになったのではないかと思います。
当然、消失した企業株を保有していたユーザーは、その仮想世界内資産を消失。
当時、ぼくも半分近い資産が消えました。

たまに仮想世界内株式では、「桃太郎電鉄」の「キングボンビー」に遭遇したようなことが起こる、と思っていた方がよいかもです。(^^;