WordPressの発表がビットコインにもたらすもの(BitInstant Blog記事和訳)

ウィキリークスもPayPalやクレジットカード会社からブロックされ、Bitcoin採用でなんとか維持している今日この頃。
まさかWordPressもそうだったとは。
ネット上の言論の自由は、ぼくが知らないだけでけっこう抑圧されているのかも。

というわけで、BitInstant Blogの記事和訳をメモしておきます。

・What the WordPress Announcement Means for Bitcoin – Blog – Genesis Block – The BitInstant Blog
http://blog.bitinstant.com/blog/2012/11/16/what-the-wordpress-announcement-means-for-bitcoin.html
NOVEMBER 16, 2012
ERIK VOORHEES

全世界で最も閲覧されるサイトの22番目に位置するWordPressから昨日出された、現在Bitcoinを受け付けているという発表は、私たち(Bitcoinを扱う企業BitInstant)にとってさえ衝撃だった。

これは非常に大きなニュース(記事下にニュースのリンクをリスト)であり、おそらくBitcoinの歴史上最も重要な出来事だ。
ただしその重要性は、WordPressが大規模だという事実によってではない。
もっと正確に言えば、このWordPressによる発表は、その決定の背後にある理由にこそ重要性がある。
WordPressが得るもの – 彼らはBitcoinシステムの本当の重要性を理解する(ヒント:それはほぼ無料の手数料ではない)。

WordPressの発表より:

  • 「PayPalは60ヶ国以上の国からのアクセスをブロックし、多くのクレジットカード企業が同様の制限をしています。
    いくらかは政治的理由により、また他のいくらかは不正行為のリスクにより、さらには他の財政的理由によります。
    理由が何であれ、私たちはハイチやエチオピア、ケニヤからの個人ブロガーが、彼らがコントロールできない支払い問題によって、ブログ界から減少するべきではないと考えました。
    私たちのゴールは、人々がブロックされることなく支払いを可能にすることです。」

それを読み、私は心を打たれた。
彼らはそれを達成するだろう。

簡単に言えば、WordPressはBitcoinが他の決済手段には出来ない何か – それが誰であれ、どこからでも、その目的が何であれ支払い可能 – を提供すると理解している。
Bitcoinにサービス利用規約はない。
WordPressが説明するように「Bitcoin払いを受け付ける商店は、誰とでもビジネスを行うことが出来ます」。

Bitcoinは偏見のない通貨なのだ。
それは区別を許さない通貨であり、これがWordPressが「Bitcoinとともに私たちは、誰も置き去りにしない新しいデジタル経済に参加します。それは本質的にオープンソースで作成された金融取引であり、WordPress.comが100%支持するものです」と支持する理由だ。


WordPress Bitcoin payment screen
[Picture credit: WordPress.com]

明らかにWordPressは、闇雲により多くのマーケットシェアを獲得しようと、他の支払いオプションを加えるような冷たい会社ではなかった。
もっと正確に言えば、彼らはある理想 – すなわち自由 – を支持する立場に立っている。より厳密に言えば、この場合WordPressは、誰もがそれを支援すると言いながら実際にはほとんど行動しないような自由、つまり、言論の自由を守っている。

WordPressはそのブログを検閲しないが、ユーザーがブログを作成するための支払い手段を、なぜ検閲しなければならないのだろうか?
あるいは、もっと率直に言ってみれば、なぜWordPressはPayPalやVisa、Mastercardが彼らのユーザーを検閲することを許容しなければならないのか?
Bitcoinの利用以前には、WordPressは実際に選択権を持っていなかったが、今ではそれがある。

これは、Bitcoinの世評に関して絶大な結果をもたらす。

個人の自由の重さを深く理解している人々は、分散化という長所や非国家的通貨システムは少しばかり問題を持ち、多くの近視眼的な監視者がそのネガティブな利用面にのみ注目し疑うということを理解している。

しかしながら、WordPressのよりはるかに啓発された長期的な理解とともに、その議論は変わるべきだ。
Bitcoinは人間の自由(まさしくそれ)のためのツールとして、ますます理解されるようになるだろう。
そして実際、通貨が我々の世界でどのように働くか理解すれば、それはインターネット自体に続いて、またはおそらく、WordPress Jに続いて、人間の自由のための最良のツールになる。

Andy SkeltonとWordPressチーム全体に対して、敢然と信義を貫く在り方に感謝します。
EFF(電子フロンティア財団)は勇気がない。
ミーゼス研究所は勇気がない。
ウィキペディアは勇気がない。
しかし、WordPressはあります。
そして、私たちはあなた方に心から感謝します。

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4 comments

  1. setu より:

    >とにかくカード会社(paypal含む)は一旦お金を決済しておきながら、不正使用な
    >どの問題がある(ありそうだ)となると、すぐに受取人からお金を引き上げて、
    >支払人に返金してしまいます。

    これが、mt.Goxなどのビットコイン関係のところが、クレジットカードやペイパルでの支払いを受け付けない理由だそうです。昔はクレジットカードやペイパルでも送金できていたらしい。それが、盗まれたカード番号やらで、支払いがキャンセルになったりして、問題が多く発生したらしい。

    普通の商品の販売なら、仕入れ値は販売の数割ですから、まだリスクの吸収のしようがあるけど、現金を反映させるわけですから、まるごと損なわけですよね。

    • しろくま より:

      puruさん、setuさんこんにちは。

      >これが、mt.Goxなどのビットコイン関係のところが、クレジットカードやペイパルでの支払いを受け付けない理由だそうです。

      しかしmt.GoxはDwollaでの入金を受け付けているようですね。
      なんか背筋が寒くなります。

  2. しろくま より:

    こんにちは。今回はちょっと長文になってしまいました。すいません。

    不正行為のリスクで国単位でブロックするというのは、クレジットカード会社(paypal含む)の不正防止に対するやる気の無さだと思うんですよね。

    『ハイチやエチオピア、ケニヤ』と国名が挙がっていますが、ここの国民だって正常にクレジットカードを使用している人もいるわけで、カード会社が善人と悪人の切り分け作業を放棄しているというだけの話だと思うんです。

    3Dセキュアとかやってますが、そんなのは(裏面のセキュリティコード)3桁じゃ足りないからもう4桁増やそうというだけの話で、カード会社側のやる気のなさというか諦め感さえ感じます。

    とにかくカード会社(paypal含む)は一旦お金を決済しておきながら、不正使用などの問題がある(ありそうだ)となると、すぐに受取人からお金を引き上げて、支払人に返金してしまいます。で、後はおたくら当事者で商品を返品するなり何なりして解決してね~ というスタンスです。でもカードを不正使用するようなヤツが商品を返品するわけないじゃないですか。

    なので不正使用や取り込み詐欺なんかのリスクは一方的に販売店側に押し付けているのが現状なので、カード会社からすると、不正使用防止に一生懸命になるインセンティブは少ないのです。

    でも販売店にまで逃げられたらカード会社の損失になるわけで、そのリスクを負いたくないから国単位でブロックしてるだけだと思うんですよね。ハイチ人のブログを検閲だとか、そんな政治的な理由なんかごく僅かな例しかないと思います。

    つまりクレジットカード決済(paypal含む)は、支払人が善人であることが前提の、脆弱な決済システムであることが問題の本質なんだと思います。

    Bitcoinを紹介するサイトも、『no charge back risk』を大きく謳っているところがありますが、お金の受取側からすれば、本当に納得できます。

    ところで、『dwolla.com』について。
    まだアメリカ人しか使えないみたいですが、paypalと同じようなことが安~い手数料でできるので取り上げられていますが、paypal同様こんな規約があります。

    Authorizations for Chargeback:
    You understand that Dwolla does not warrant the transactions and that these transactions are subject to ACH chargeback processes. You agree and warrant that any chargebacks received by Dwolla can and will be debited from your Dwolla account and if such funds do not exist a debit for the chargeback amount will be placed against the bank account to which the funds were withdrawn.

    “against the bank account” 。。。ああ恐ろしや。paypal以上にヤバそうな決済手段のような気がします・・・

    • puru より:

      こんにちは、しろくまさん。

      >こんにちは。今回はちょっと長文になってしまいました。すいません。

      いえいえ、長文は好物です^^
      特に今回のは、ぼくの知らないことばかりで参考になります。
      経済とかお金とか、カードのこととか、本気でよくわかってない人なのです。(^^ゞ

      >とにかくカード会社(paypal含む)は一旦お金を決済しておきながら、不正使用な
      >どの問題がある(ありそうだ)となると、すぐに受取人からお金を引き上げて、
      >支払人に返金してしまいます。
      >で、後はおたくら当事者で商品を返品するなり何なりして解決してね~ という
      >スタンスです。

      なるほど、そういうことがあるんですね。
      はじめて知った。(^^;

      >でもカードを不正使用するようなヤツが商品を返品するわけないじゃないですか。

      うん、うん。

      >Bitcoinを紹介するサイトも、『no charge back risk』を大きく謳っていると
      >ころがありますが、お金の受取側からすれば、本当に納得できます。

      ネットショップの利点として必ず取り上げられてますね。

      >ところで、『dwolla.com』について。

      海外の取引所でもよく見かける名前ですが、どういうものなのかわかってませ
      ん。(^^;

      >“against the bank account” 。。。
      >ああ恐ろしや。paypal以上にヤバそうな決済手段のような気がします・・・

      すんません。(^^ゞ
      この英文、ぜんぜんわかりません。m( _ _ )m 頭悪くてゴメン

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